課題は、紙粉の発生を極力なくすこと、廃棄しやすいこと。
従来、医薬品原料など吸湿性の高い物質を収納するファイバードラムは、上下部を金属で補強し、内面は防湿のためにアルミニウム箔のラミネート紙を貼ったタイプが主流でした。しかし金属と紙の複合素材によるファイバードラムは使用後の処理が困難という問題がありました。これを解決する方法として、折しもお客様が内装袋で内容物を密封する方法を確立されていたこともあり、容器は金属を使わない、紙だけを用いた単一素材での構成に注目。しかし当社で従来から販売しているオールファイバードラムは切断面が露出する形状のため紙粉が発生します。そのため紙粉を極力なくすために、切断面のない構造の開発に迫られました。
解決策として圧着成形をベースに、新たな製造機器を開発。
廃棄やリサイクルを容易にする、紙だけによる単一素材のオールファイバードラム。さらに紙粉を出さないという厳しい要求に応えるために私たちが選んだ道は、圧着成形でした。この方法なら、切断面が露出せず、紙粉は出ません。私たちは設計開発を機械メーカーの協力を得ながら、次のような独自の開発に着手することになりました。
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こうして完成したファイバードラムはクリーン度が高く、単一素材のため、リサイクルが容易であり、リサイクルの頭文字から「R タイプ」として販売を開始。医薬品原料や食品原料などクリーン度の要求の厳しいお客様にご利用いただいています。